五十肩(肩関節周囲炎、腱板損傷など)
五十肩(肩関節周囲炎、腱板損傷など)の治療に関して、エコーを用いた長頭腱ステロイド注射と肩峰下滑液包内ヒアルロン酸注入、腱板損傷に対するPRP再生治療などの解説をいたします。
五十肩の治療について
ステロイド注射とヒアルロン酸注入
五十肩の原因はいろいろありますが、上腕二頭筋の長頭腱(LHB)の炎症と、腱板損傷およびそれに伴う滑液包炎が多いです。
当院では、LHBにステロイド注射と、肩峰下滑液包内(SAB)にヒアルロン酸注入をセットで行います。この二つでおおかたカバーできます。
確実に良い部位に注入するために、エコー画像をリアルタイムに見ながら針を進め、画像を見ながら薬液注入、その拡がりを見ながら針先の位置微調整などをしていきます
効果と経過
両方とも即効性があり、まずLHB注から行いますが、それで5割〜8割ほどの痛みが取れることが多いです。その評価の後、SAB注を行い、残りの痛みがほぼほぼ取れることが期待できます。
発症から1か月ほどの急性期であれば、1回の治療で事足りることが多いです。
1か月以上痛みが続いていると痛みの慢性的なメカニズムができあがっていて、1回の注射では数日の効果は上記のようにあってもまた痛み再出することがほとんどです。
数か月の慢性肩痛で3,4回、1年前からの痛みでは5,6回以上は治療することが多いです。それでも徐々に痛みの程度は減っていって、しばらくすると痛みが気にならなくなることがよくあります。
なかには、注射してもほとんど改善しないこともあります。経験ではおおよそ10人に1人くらいでしょうか。数回注射しても全く改善する様子がなければ、その場合は肩の理学療法や、適応であれば手術などを勧めています。しっかりと肩リハビリをやってくれる病院、肩専門のDrをご紹介します。
腱板損傷に対するPRP再生治療
最近、腱板損傷に対するPRP再生治療をするようになりました。完全断裂には効果は期待できませんが、軽めの部分損傷であれば効果期待できると思います。
先回行った治療でも、エコー画像上の改善を認めるとともに、痛み症状もほぼ完解できました。
まだ新しい治療法で効果のほどは確立されていませんが、注射、リハビリなどさまざまな保存療法を試してもいま一つ痛みが良くならないときなど、期待のできる治療であると思っています。(自費診療です。)