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テニス肘(外上顆炎)

テニス肘の症状と、先ずすべきこと

30歳から50歳代の女性に多く、タオルを絞ったり、フライパンを持つなどの動作時に肘の外側に痛みが出る。テニスなどのスポーツによる場合テニス肘と呼ばれている。保存的治療として安静、ストレッチング、バンド装具などある。ステロイド局所注射も行われ一時的には効果はあるが、筋肉、皮下組織、皮膚の委縮を招くこともあり、現在はあまり行われなくなってきました。

テニス肘の原因

解剖学的には、肘にある外上顆という骨の突起に、手首を曲げる際に使う筋肉の端(腱)がいくつか合わさって(共同腱)付着しています。手首を曲げる度に、骨に付着した共同腱の部分が引っ張られますので、それが頻回になると少しずつ極小の傷が付いてしまうのが原因です。

保存的治療と経過観察

小さな傷がたくさんあるのが原因で、主体は炎症ではないので、抗炎症薬(いわゆる痛み止めの薬)は効きません。また、腱は血流の乏しい組織なので、自己治癒も難しいのがこのテニス肘の痛みの難治性なところです。ただ、軽症であれば、保存的治療(ストレッチ、安静、バンド装具など)で1,2か月で良くなることが多いです。半年間、保存的治療をしても良くならない場合は、そのまま自然軽快は難しいことも多いことが挙げられます。その際に、必要であれば手術を検討されることもあります(筋緊張を取り除く、もしくは付着部の再縫着など)。

PRPによる腱再生治療

最近話題なのがPRP注射です。MLBの田中投手や、大谷投手が肘を痛めたときにPRP注射をしたことでマスコミでも話題になったそれです。
PRP注射とは、採血した自分の血液から加工して血小板を濃くしたものを患部に注射することです。血小板には増殖因子が豊富に入っていることから、患部を再生してくれる、つまり傷付いた腱を再生してくれます。

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PRP注射のちょっと裏話

PRP注射は世の中にいくつか種類が存在します。すべて同じではなく、細かい所が少し異なり、結果に影響もします。例えば、血小板の濃度、混在する好中球の量、またエコーガイド下かどうかなどです。
ある程度、このようにした方が良いという研究の蓄積はありますが、まだピンポイントに細かな設定はありません。

当院でのPRP治療

当院では、エコーガイド下にLP-PRP(Leukocyte-poor Platelet-rich plasma:白血球とくに好中球の少ない自己多血小板血漿)を注射しています。現在まで、テニス肘の方は20症例ほどPRP注射してきましたが、全例で痛みが10→0or1に減っています。最長で5年経った今でも、痛み再発はしていません。

副作用など

副作用としては、注射後の痛みが1週間ほど続きます。それは注射部位に炎症が惹起されるという、言い換えればそれにより再生が促されていることで効果とも捉えられ、実際痛みがあった方のが効果も強いと言われています。
その他の明らかな副作用はありません。

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