点滴・その他の治療
ケタミン療法
ケタミンはもともと全身麻酔用の薬剤で昔から使われていた。そのNMDA受容体を非競合的に拮抗する作用により、慢性痛はじめオピオイド耐性、依存症などを強力に軽減させる。 また、治療抵抗性のうつ病に対し即効性に(投与2時間後)かつ長期持続性に(1週間)、抗うつ作用を示すとされる。このことから、うつ傾向と慢性痛を併せ持つ症例に、ケタミンの鎮痛効果を高めているとされる。 当院では、他の治療法では痛みのコントロールが困難で、医師が必要と判断した場合に限り、ケタミンを点滴で投与する治療を行っている。
ノイロトロピン点滴
ワクシニアウイルスを接種した家兔の炎症皮膚組織から抽出した非タンパク質性生理活性物質を含有する製剤で、薬理作用は①痛みの下行性抑制系の賦活、②ブラジキニン産生抑制、③局所血流改善にある。 副作用がほぼないのが特徴とも言える。
イオントフォレーシス
局所麻酔薬などを塗るだけでは皮膚を浸透しにくいので、電気を通すことにより薬液をイオン化させ皮膚の奥まで浸透させる治療法です。(ちなみにビタミンCでは、皮膚に塗るだけよりイオン化させると300~500倍ほど浸透しやすくなるデータがあります。) 帯状疱疹後神経痛などに用いられます。